弁護士探しって本当に難しい!体験から学んだチェックポイント

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自分が弁護士探しをすることになるなんてあまり考えたことがなかったのですが、それにしてもこんなに大変ということにも驚きました。

そもそもどうやって探して、何を基準に選んだら良いのかすら、わからなかったです。

弁護士に良し悪しがあることは何となく聞いていたので、ネット検索で飛び込み相談することだけは勇気がいることでした。

弁護士会の法律相談センターで対応してくれた弁護士や、初回相談のみお願いした弁護士も既に3人いたのですが、その時はまだ金銭トラブルとしての相談だったので、今回新たに相談をする「結婚詐欺」疑惑による返金請求の場合は、また少し専門が違うのだろうと考えました。

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ネット検索上位や広告に惑わされない

数十年前とは違い今はネットの時代ですから、弁護士探しするなら最初に誰もが行うのが「ネット検索」だと思います。

検索エンジンで「弁護士 詐欺」などのワードで上位に表示されてきたり、広告で『詐欺に強い』などと表示される事務所があったら、期待できそうな気がしますよね。

ここで注意しておきたいことは、検索上位やネット広告に表示されるということは、それだけ宣伝費にお金をかけている可能性が高いということです。つまり検索して上位に上がってくるからといって、必ずしも詐欺事件などで被害金を回収した実績が多いとは限らないということです。

ネットやSNS広告についても同様で、キャッチコピーが上手いと無条件に信用してしまうことがあります。でも弁護士事務所を探すときは、表面的な魅力だけに惑わされないことがとても大事だと思います。

弁護士の専門分野や実績を確認する

弁護士も医師と同様にサポート範囲が非常に広いので、ある程度実績を積んできていれば得意分野というのがあるはずです。あくまで参考ですが、弁護士の担当する主要な問題としてはこれだけあります。

  • お金のトラブル
    (債権回収、借金問題、債務整理 等)
  • 遺言、遺産相続
  • 夫婦の問題
  • 交通事故
  • インターネット問題
    (著作権侵害、誹謗中傷 等)
  • DV、ストーカー
  • セクシャル・マイノリティ
  • 生活保護
  • 医療過誤
  • 労働に関するトラブル
  • 不動産の賃貸借トラブル
  • 住宅や環境に関するトラブル
    (欠陥住宅、近隣トラブル、公害 等)
  • 子供、障害者、外国人に関するトラブル
  • 暴力団や不当要求などのトラブル
  • 消費者トラブル
    (TV通販やネットショッピングなど)
  • 裁判や法的トラブル
    (訴状や裁判への出頭通知など)
  • 犯罪被害者支援
  • 逮捕・起訴された対象者の弁護

               等

そのため、大きな括りで民事事件が強いのか、それとも刑事事件も強いのか、それぞれの実績はどのくらいあるのか、また主なクライアントが法人なのか個人なのかも確認した方が良いと思います。

例えば結婚詐欺被害で相談する場合なら、お金を取り返すことが一番の目的だと思いますが、民事事件だけでなく刑事事件の経験が豊富な弁護士の方が、進め方など段取りや警察との連携にも慣れていると思います。さらに、依頼したい問題と似たような事件を担当したことがある弁護士なら安心感が増しますね。

大抵弁護士事務所などのホームページでは弁護士のプロフィールも紹介していますので、その情報は要チェックということです。もしプロフィールを出していなかったり、掲載があっても担当分野が幅広すぎる場合は、その意味をよく考えて判断した方が良いかもしれません。

依頼後の流れや事件解決方法について確認する

初回相談の際に、その事件を依頼した場合の解決までの流れについてしっかりと確認をしましょう。

弁護士が目的達成のためにどのようなステップを踏んで進めるのか、具体的にどのようなアクションをいつ頃に起こすのか、おおよそのタイムラインも含めて確認すると良いでしょう。

例えば債権回収の依頼であれば、主にこのようなアクションがあり得ると思います。
・内容証明郵便の送付
・相手の資産確認・仮差し押さえ
・少額訴訟や支払督促、または通常訴訟の手続き

とはいえまず最初に内容証明郵便の送付をするのかしないのかもケースバイケースで、そのメリットや依頼者の意向も考慮しながら決定すると思います。

債権回収を成功させるための戦略について、その弁護士の方針を依頼者の希望も聞きながら提案されると思いますので、疑問点があれば遠慮せずに納得いくまで聞いておきましょう。

例えば依頼後の展開を自分なりに想像してみて、「もし xxxxxがうまくいかない場合には他にどういう方法があるのか?」など、タラレバの不安や不明点なども残らないように聞いてみると良いと思います。その際の弁護士の回答内容で、実際の経験値が見えてくるはずです。

しかしながら、ケースによっては初回相談時に弁護士が依頼を受けること自体が難しいと判断するケースもあると思います。例えば、相手(または加害者)の居場所がわからない場合や、偽名だったなどの理由で連絡手段自体が皆無の場合です。そのような場合は、弁護士でなくまず探偵に相談してみたら良いかもしれません。

弁護士費用は不明点を残さないように確認する

弁護士には依頼したいけど、どのくらいの費用がかかるのかは一番気になりますよね。まずどのような費用が発生するのかを知っておきましょう。

弁護士費用には詐欺事件など債権回収の場合、主にこのようなものがあります。

  • 初回相談料・法律相談料
    初回相談など、法律に関し相談する際の費用です。
    相場は1時間で5,000〜10,000円ですが、初回無料の場合もあります
  • 着手金
    正式に依頼し委任契約を交わすと最初に発生するのが「着手金」です。着手金は内金や手付金とは異なるもので、結果とは関係がなく不成功でも返還されることはありません。
    相場:10万円 〜 事件の分野や経済的利益により異なる
    例えば、(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準ではこのように記載されています。
    [民事事件] 訴訟事件
       ・事件の経済的利益の額が300 万円以下の場合 8%
       ・300 万円を超え3000 万円以下の場合 5%+9 万円
       ・3000 万円を超え3 億円以下の場合 3%+69 万円
       ・3 億円を超える場合 2%+369 万円
  • 報酬金
    結果の成功の程度に応じて支払う成功報酬のことで、完全に敗訴の場合には報酬金は発生しません。
    (旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準ではこのように記載されています。
    [民事事件] 訴訟事件
       ・事件の経済的利益の額が300 万円以下の場合 16%
       ・300 万円を超え3000 万円以下の場合 10%+18 万円
       ・3000 万円を超え3 億円以下の場合 6%+138 万円
       ・3 億円を超える場合 4%+738 万円
  • 実費、日当
    通常、事件が終わった際の精算時に支払います。
    例えば裁判所に納める収入印紙代や予納郵便代、出張の際には交通費、宿泊費、日当、また通信費やコピー代、事件によっては保証金、鑑定料などがかかることもあります。

上記はあくまで基準なので、依頼する弁護士に詳細を確認しましょう。

弁護士の報酬に関する規程(平成十六年二月二十六日会規第六十八号)により、弁護士は費用について相談者または依頼者に説明する義務がありますので、どのくらいの費用がかかるのか全体を理解できない場合は、項目ごとの金額が記載された明細書などを作成してもらい納得がいくまで確認するようにしてください。

特に詐欺に遭いお金のことでただでさえ不信感を持っている被害者に対して、費用説明をしっかりしないような弁護士は信用しない方が良いと思います。

弁護士に相談したいけど費用捻出が難しいという場合には、法テラスのように無料相談や費用の立替・分割払いが可能なところもあります。

▶︎法テラス – 無料の法律相談を受けたい
▶︎法テラス – 費用を立て替えてもらいたい

必ず弁護士と対面して自分の目で確かめる

弁護士に依頼をする場合は、委任契約前に必ず最低一度はリアルで対面してみることを強くお勧めします。

昨今弁護士依頼もオンライン化が進んでいるため、「LINEだけで相談・依頼可能」などという弁護士事務所も存在しています。契約書類等の作成など、シンプルな依頼であればオンラインだけで問題ないかもしれませんが、債権回収など詐欺事件のような依頼であればやはり実際に弁護士と顔を合わせて話をする方が良いです。

たまに弁護士でもビジネスマナーが欠落している方もいますので、対面すればそのような対応などから本当に信頼して良いかどうか見えてくるはずです。

弁護士決定の決め手に関する体験談

これは自分自身の体験からの例ですが、初回相談前に予め資料提出をしていた2つの弁護士事務所の対応に天と地の差がありました。

A弁護士事務所:
この弁護士事務所は、結婚詐欺師事件で逮捕〜返金へと導いた実績があるとのことでネットで紹介されていました。
早速コンタクトすると弁護士本人ではなく事務担当の方が間に入り、事件に関する資料を全て送付するように指示されました。既に詳細な資料を準備してあったので、それら一式揃えて送付しました。

その後、待てど暮らせどA弁護士事務所から連絡はなかったので、1ヶ月経った頃に一度面会して相談したいと伝えました。
面会当日、約束の時間に事務所を訪ねると待合スペースで待つように言われました。待つこと30分、予約をしていたにも関わらずなかなか現れない弁護士に少々苛立ちを感じていると、ようやく弁護士は予め送付しておいた資料を持って現れました。その若そうな弁護士は、ろくな挨拶もせず椅子に座ると、事件について言葉で説明するように要求してきたのです。
資料を送れというから1ヶ月も前に送ってあったのに一から説明するのか」と、この時点で2つ目の不信感を持ちました。仕方ないので概略を説明すると『何?証拠がないの?』『それじゃあダメじゃない。証拠がなかったら争えないよ』とバッサリと断ってきたのです。それも半ばイラつきながらです。

というか文句を言いたかったのはこちらです。1ヶ月も前に資料を送付してあったのに、全く目も通していなかったということじゃないですか。わざわざ遠くまで足を運んで相談に行ったのに、2〜3分の概略説明でダメ出しされるなら初めからそう言ってくれと思います。完全に無駄足でした。対応も態度も最悪、わざわざ訪ねていった時間を返せと思いました。

例えネットで成功例が紹介されていても、良い評判が書いてあったとしても、実際に相談すると最低最悪な弁護士というのがいるものなのです。それはそれで非常に勉強になりました。

B弁護士事務所:
こちらの弁護士事務所は知人を通しての紹介でした。
まずはA弁護士事務所の時のように、相談にいく前に事件絡みの資料を全て送付しました。

相談の当日、会議室に通されて2〜3分待ったところで弁護士2名が現れました。自己紹介の後、椅子に座るといきなり本題に入りました。ベテランと思われる弁護士の方が、資料を元にいくつか質問や確認をしてきました。
つまり弁護士の方々は、事前に送った資料を丁寧に読んでいてくださっていたのです。A弁護士事務所のことがあったので神のように思えました。

弁護士の質問や確認事項に回答した後、依頼を受けた場合の債権回収に向けての流れを説明してくれました。何ができるのか、またどういうリスクがあるのか、そして勝算に対する率直な意見も聞かせてくれました。
彼らは決して期待だけさせるような綺麗事などは言いませんでしたし、こちらの質問や不安内容についても1つ1つ明確な回答をくれました。これぞ誠実な対応というやつだと思ったことを覚えています。

後日弁護士費用についても、依頼者の不安がないように項目ごとの費用が記載された明細に金額の根拠に関する説明も記載された資料を作成してくださり、質問に対しても誠意を持って答えていただきました。

上記以外にも弁護士事務所には10社ほど問い合わせや相談に伺っていましたが、最終的に正式依頼したのはB弁護士事務所でした。

このように、実際弁護士事務所にこれだけの差があったということを、この記事を読んで下さっている皆様にお伝えしたかったのです。

まとめ

これから弁護士に依頼を考えているという人は、できるだけ多くの弁護士事務所にコンタクトして対応の違いを肌で感じてみてほしいと思います。そうやって比較することができれば、失敗のリスクも軽減できると思います。

大金を出して弁護士にお願いをするわけですから、妥協など絶対にせずに自分が信頼できる弁護士を選んでください。

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