婚活・恋活アプリなどでせっかくマッチングしても、詐欺被害や金銭トラブルに巻き込まれてしまったら絶望的な気持ちになってしまいます。
そのためにはどんなことに気をつけておくべきか知識として持っているだけで、かなりの確率で防ぐことができます。詐欺対策を知らなければ防げないですが、しっかりと「勉強」しておくことで予防が可能になります。
では、まず詐欺の種類やその手口がどのようなものなのかを見ていきましょう。
詐欺の手口はどんなものがある?
SNSやマッチングアプリで出会った相手が次に挙げるような目的で近づいてくる場合、プライベートな話や相談をして急激に距離を縮めようとするという共通点があります。
もし相手に悪意がない場合でも、出会ってすぐ意気投合して急に盛り上がるような恋愛の場合は「冷静に相手を観察する」という時間が十分に取れていないことが多いです。そのためパートナーや夫婦になったとしても「こんなはずじゃなかった」と、長続きしないケースが多いのです。
もちろんアプリで知り合って電撃結婚、などという成功例も中にはありますが、見極めが必要です。
男女の恋愛感情を利用したケースだけでなく、信頼心を利用してお金を騙しとる詐欺行為も多いです。悪意を持って近づいてくる人の第一印象は、「親切そう」「誠実そう」「信頼できそう」など好印象であることも共通しています。
どんな相手に対しても常に警戒心を忘れないようにしましょう。
結婚詐欺
結婚詐欺とはよく聞きますが、明確にはどんな詐欺のことを指すのでしょうか。Wikipediaで結婚詐欺についてこのように説明があります。
結婚詐欺(けっこんさぎ)とは、詐欺のひとつ。ロマンス詐欺やアカサギともいう。
Wikipedia
結婚する意思がないにもかかわらず、結婚を餌にして相手に近づき、騙して金品を巻き上げたり、返済の意志もないのに金品を借りたりする。
つまり結婚を匂わせたり約束をして相手に信じ込ませた上で、金品等を奪ったり、返すつもりもないのにお金を借りたりする行為です。
具体例としては、次のようなものがあります。
これらは一部ですが、よくあるパターンです。いずれも婚約者であると信じ込ませているからこそ成立する詐欺行為です。
デート商法
デート商法は、Wikipediaでこのように説明されています。
デート商法(デートしょうほう)とは、恋愛感情を利用して、契約を締結させる商法である。「恋人商法」または「恋愛商法」とも表される。
Wikipedia
つまりデート商法とは、SNSやマッチングアプリなどで出会った異性に好意(恋愛感情)を抱かせた上で、「断ったら相手に嫌われてしまうのではないか」という相手の感情につけ込んで、言葉巧みに物を買わせたりさせる(契約を締結させる)悪徳商法の1つになります、
具体例としては次のようなものがあります。
これらは一部ですが、断りづらい状況をつくりだして高額商品などを契約させるというものです。
ロマンス詐欺/SNS型ロマンス詐欺
ロマンス詐欺については、Wikipediaでこのように説明されています。
ロマンス詐欺(ロマンスさぎ)は、主にインターネット上の交流サイトなどで知り合った海外の相手を言葉巧みに騙して、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種。
Wikipedia
国際ロマンス詐欺、国際恋愛詐欺などとも呼ばれる。代表的なものにはナイジェリア詐欺がある。
送金した場合、現状では事後に金銭を取り戻せるすべはほぼない。
つまりSNSなアプリなどで医者や弁護士、軍人などを名乗る外人が甘い言葉で近づき、恋愛気分にさせたり結婚をちらつかせた上で何かしら理由をつけて送金をさせるというものです。
具体例としては次のようなものがあります。
これらも一部ですが、いずれも恋愛関係・信頼関係を築いた上で、相手に不信感を抱かせずにお金を出させるやり方です。恋愛感情を利用しつつ、FXや仮想通貨などの手口で騙す複合ケースもあります。
SNS型ロマンス詐欺
最近増加しているのが、マッチングアプリやSNSのメッセージを通じて接触してくるSNS型ロマンス詐欺です。メッセージを交換しながら信頼感や恋愛感情を抱かせ、「一緒に儲けよう」「一緒にお金を貯めよう」などと言い、投資を名目にお金を出させるやり方です。
SNS型ロマンス詐欺はのターゲットは、異性に限らず同性もなり得ます。SNS型は、非対面でメッセージを通じて自分のことを信用させ、気が緩んでいるところへ「一緒に・・」と言って甘い誘惑を持ちかける方法です。
FX詐欺
FX詐欺は、FX投資を悪用した不正な取引や詐欺のことです。
FX(Foreign Exchange)は『外国為替証拠金取引』のことで、2種類の通貨を交換することで発生する差額によって利益を得ることです。法律で認められている投資なので、それ自体が問題になるわけではありません。
具体例としては次のようなものがあります。
上記は一部ですが、「必ず儲かる」「必ず利益が得られる」「絶対に損はしない」というような言葉で利益の保証をするような発言があるようなら詐欺の可能性を疑ってください。
なぜならFXに限らず株式などの場合でも、投資で利益が得られるなどという保証は誰にもできないからです。
最近実際にあったFX投資詐欺事件に次のものがあります。
仮想通貨詐欺
仮想通貨詐欺とは、仮想通貨(暗号資産)を悪用した不正な取引や投資詐欺のことです。
SNSやマッチングアプリなどで知り合った相手から暗号資産の投資を勧められ、その結果投資額を騙し取られるという詐欺被害も最近とても多いそうです。
具体例としては次のようなものがあります。
これらの例はあくまで一部ですが、FX詐欺と手口は似ています。
偽サイトや偽アプリを使ったそのようなケースの他に、仮想通貨の交換所などの組織を装ってメールやSMSで個人情報を抜き取る「フィッシング詐欺」や、「指定されたアドレスに仮想通貨を送れば必ず儲かる」などとメッセージを送ってお金を騙し取る「景品詐欺」もあります。
SNS型投資詐欺
FX詐欺や仮想通貨詐欺と似ていますが、その中でもSNSなどを利用して非対面で投資の勧誘をしてくるものはSNS型投資詐欺と呼ばれています。
メッセージを交換する中で投資の勧誘をし、偽の投資サイトや投資アプリにアクセスさせてお金を振り込ませます。
ネズミ講(無限連鎖講)
ネズミ講(無限連鎖講)は、先に組織に加入した人が、後から加入した人から金銭を受け取れるようなシステムの組織です。
ネズミ講(無限連鎖講)では加入者が無限に増加することを前提していて、例えば1人が2人ずつ勧誘していくと27代目には1億人を超え、必ずどこかで行き詰まり破綻することが明白な違法の配当組織です。そのため「無限連鎖講の防止に関する法律」によって、開設・運営・勧誘の一切が禁止されています。
weblio辞書ではこのように説明があります。
「ネズミ講(ねずみこう)」とは、無限連鎖講の通称であり、新規会員が入会料として支払う金品を既存会員に配当する(勧誘すればするほど儲かる)という甘言のもとに親会員・子会員・孫会員と会員数を増殖させていこうとするビジネス形態(ビジネスモデル)のこと、もしくは、そのようなビジネスを企て実施する組織のことである。法的に禁止されている悪徳商法である。
weblio辞書
また、実際に摘発されたネズミ講に次のようなものがあります。
これら2つ事件はどちらも「配当がもらえない」という被害者が相次ぎ、事件化したとのことです。
ネズミ講とネットワークビジネスとは異なる
「ネズミ講(無限連鎖講)」と似たシステムでよく混同されるのが、ネットワークビジネスやコミュニケーションビジネス、マルチレベル・マーケティング(MLM)=マルチ商法などとも呼ばれる「連鎖販売取引」です。
ネットワークビジネスとして有名なのは、日本アムウェイや「ミキプルーン」の三基商事、ニュースキン、ノエビア化粧品などでしょう。
ネットワークビジネスとネズミ講との違いについては、弁護士法人 モノリス法律事務所のホームページで次のように分かりやすい説明があります。
連鎖販売取引(ネットワークビジネス)と無限連鎖講(ネズミ講)との違いは、その定義から明確に区別することができます。
- ネットワークビジネス:物品を販売(または役務の提供など)する事業
- ネズミ講:金品を配当する組織
つまり、商品の販売や役務の提供などの商行為を通じて報酬を得て配当するのが「連鎖販売取引」、単に会員費などの名目で報酬を得て配当するのが「無限連鎖講」ということです。
弁護士法人 モノリス法律事務所
無限連鎖講(ネズミ講)と異なり、連鎖販売取引(ネットワークビジネス)は『連鎖販売取引に対する規制』によって消費者の安全が守られていますが、もしその規制に違反した場合や、特定商取引法で禁止している行為を行った場合には違法となります。
●無限連鎖講(ネズミ講)の防止に関する法律(昭和五十三年法律第百一号)
無限連鎖講の防止に関する法律 – 衆議院
●連鎖販売取引(ネットワークビジネス)に対する規制について
連鎖販売取引 – 特定商取引法ガイド – 消費者庁
●特定商取引法について
特定商取引法とは – 特定商取引法ガイド – 消費者庁
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詐欺に騙されないためにはどうしたらよい?
もしあなたの交際相手や特別な存在の人から「お金を貸して欲しい」などと相談された時は、一体どうしたら良いのでしょうか。
まず最初に、交際相手にお金を借りようとする行為は普通のことではないと理解しておきましょう。
ある程度の収入のある良識を持った社会人であれば、自分の彼女やパートナーにお金の無心などしません。そのような相談があった時点で別れた方が良いです。
それでも迷いがあるという方のために、対応方法の例をご紹介します。
相手と面識がない場合は「絶対に応じない」
マッチングアプリ内だけでのやり取りや、FacebookやInstagram、X(Twitter)などSNSを通じてある日メッセージが送られてきて、テキスト交換だけでも仲良くなれるケースは多いと思います。
実際に面識がなくてもお互いにメッセージを通じて素性を公開しあい、激励したり支え合うことも可能だと思います。
しかしお金の貸し借りとなると別問題です。昨今急増しているロマンス詐欺やFX投資詐欺などのように、こうした関係からトラブルへと発展していることが非常に多いのです。
そのためもし借金の申し出をしてきた相手と面識がない場合は、絶対に借金の申し出には応じないでください。
なぜなら、会ったこともない人にお金を借りようとする行為はそれだけで怪しいからです。
そんな申し出をしてきたら、それまでにどれだけ信頼関係を積み重ねていたとしても、縁を切った方があなた自身のためだと思いましょう。
Step.1 相手の身元を確認する
SNSやマッチングアプリであれば、やたらハイスペックなプロフィールだったり、派手な生活ぶりを匂わす写真や自己紹介の相手は、好条件で異性を釣るためのものである可能性が高いです。
例えば、職業欄が経営者や士業などで年収が2〜3千万円とあったり、高級車や高級時計を見せびらかしているようなプロフィールの場合には詐欺の確率が上がります。
また実際に交際が始まってから「家を教えてくれない」「名刺をくれない」「写真を撮られることを嫌がる」という場合も警戒が必要です。
できれば不安を伝えて身分証明証を見せてもらうなどしましょう。もしお願いしても身分証を見せない、名刺をくれないようなら潔く諦めて身を引いてください。
名刺をもらえて会社名がわかったら場合は、必ずネットで調べてください。スマホがあれば簡単に検索できるので、会社名、名前、アプリのユーザーネーム、個人メールアドレス、個人携帯番号などわかっている情報で色々と検索しまくってください。
もし相手が過去に詐欺行為などをしていれば、何かしらの情報が出てくる可能性があるからです。
例外ケースとは・・?
さて、ここまで身元確認が必要だという説明をしましたが、実は例外ケースがあります。それは詐欺を生業とするようなプロの場合です。
彼らは実名を名乗り、家や家族、私生活についても隠すことはしないのです。なぜなら『素性を偽ること』=『詐欺であることの証拠』になり得ることを知っているからです。
プロの詐欺師を見抜けるとしたら、詐欺行為に出てきた時に決して見逃さないことです。つまり大金を現金で渡させるような機会をつくられたタイミングです。
彼らはお金を受け取った証拠を残すことを嫌がりますので、例えばお金を渡すことについて敢えて金額も明確にしてメールやメッセージで送ってみましょう。
Step.2 信用できる人に相談や紹介をする
もう1つの詐欺被害回避の方法としては、なるべく早い段階で友人や家族など信用できる人に紹介したり相談することです。
ふだんは冷静に物事を判断できる人であっても、いざ自分のこととなると違ったり、異性に対して恋愛感情を持ち始めることによって判断が狂ってしまうものだからです。特に人を見る目に自信があったり、人の言うことを聞かない傾向のある人には、そうすることをお勧めします。
あなたのことを本気で心配してくれるような信頼できる友人や家族であれば、客観的かつ冷静に相手を観察してくれるので、少しでも胡散臭い雰囲気を感じれば危険サインを出してくれることでしょう。
ここでも例外なのはプロの詐欺師の場合です。彼らは喜んで友人や家族にも会ってくれるでしょう。なぜなら少しでも自分との関係について、あなたを安心させたいからです。家族にまで堂々と会ってくれる相手に騙されるなどは思わなくなるので都合が良いのです。
Step.3 投資話なら「金融商品取引業者」登録の有無を確認する
「金融商品取引法」に規定された投資性のある金融商品を取り扱うには、「金融商品取引業者」として登録する必要があります。例えば、有価証券・デリバティブの販売や勧誘、投資助言、投資運用、顧客資産の管理などがそれに含まれます。
金融庁のホームページには、金融商品取引業登録がないにもかかわらず違法で取引を行った業者や個人を掲載しています。
▶︎[金融庁] 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
また反対に、金融商品取引業者だけでなく銀行等代理業者、預金取扱等金融機関、金融会社、保険会社等の免許・許可・登録等を受けている業者一覧も情報公開をしていますので、こちらで確認をすることをお勧めします。
▶︎[金融庁] 免許・許可・登録等を受けている業者一覧
まとめ
SNSやマッチングアプリで簡単に異性と出会い、親密な関係になることのできる時代なので、警戒心を忘れないことがとても大事です。
また突然転がり込むうまい話、儲かる話などは、一旦冷静になって考えるようにしてください。
世の中にそんなに都合の良いおいしい話などありません。
そして自分一人で判断できないと思ったら、結論を出す前に必ず信用できる人に相談してください。
そのようにして、危険な犯罪が身に降りかからぬようブロックすることが第一段階のリスク管理です。
危険回避ができるように、実際に逮捕された結婚詐欺師も参考にしてみてください。